藍の糸染め
藍で糸を染める際には、輪にした糸束を藍がめに浸けたあと数回に分けて絞ります。濡れた糸束は驚くほど大量の藍液を含んでいて、絞り切るには相当の力が必要です。 空気に触れるたびに、糸は茶褐色の藍液の色から薄緑色へ、藍色へと変わっていきます。一瞬で色合いが変化してしまうので目が離せません。 糸に空気を含ませ染め色を均一にするために、絞り切った糸束を土間で幾度も叩きます。叩き終わると藍の色はますます冴えて深まっています。 この作業を、糸が必要な濃さの色に染め上がるまで何度でも繰り返します。
括り糸
久留米絣の糸は柄を計算して括られた後に染色されます。 括り用の糸は織る前に糸束から外されますが、その糸を「括り糸」と呼びます。 写真は下側が染色後の絣糸、上に乗っているのが解かれた括り糸になります。 以前は廃棄されていた括り糸ですが、近年では再利用が進んでいます。括り糸を織り込んだ絣の生地もよく見かけます。また、ニットやアクセサリーの素材としても活用されています。 しっかりと糊付けされ、括りや染色や洗いの現場をくぐり抜けてきた括り糸はランダムな色合いや独特のうねりを残しており、括り糸を用いた製品は「計算外 ...